下村酒造店

進化よりも深化する酒造り

1884年創業の下村酒造店は、山田錦の主な生産地である兵庫県にあります。 山田錦が豊富に手に入ることに加え、周囲を山に囲まれたエリアで冬には気温が下がるため、酒造りに適した環境が揃っています。 蔵がある地域は「播磨」と呼ばれており、この地域の米、米麹、水を使い、播磨の酒蔵が醸したお酒を「GIはりま」と表記できる地理的表示GI(Geographical Indication)指定を受けた地域でもあります。

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兵庫県・下村酒造店

使うお米は、兵庫県産山田錦と兵庫夢錦(山田錦の孫にあたる酒米)。地元の農家とも提携しています。地元のお米を使うのは、同じ水を使って育てているからか、酒造りとの相性が良いからだそうです。

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下村酒造店 との契約農家が育てる夢錦

個性を突き詰めてたどり着いた酒質

「Homecoming」は、”飲みやすさよりのみごたえ、透明感より存在感”が特徴のお酒です。下村酒造店が個性的な味わいの酒質へと方向転換したのは、先代が酒造りを指揮していた1990年代の始め。 その頃来ていた杜氏がしっかりした濃い味わいの酒造りを得意としており、その造りが地元の米と水との相性もよかったこともあり、この酒質が出来上がりました。 世間的には綺麗なスッキリとしたお酒が流行っている中でのスタートで、真逆とも言える熟成しても美味しいしっかりした味わいは、他社との違いも明確に示せたのだそうです。偶然が重なって誕生したと言えるお酒なのです。

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下村酒造店の蔵

2008年からは、ある蔵との出会いがきっかけで全量純米酒製造へと切り替えて、製造しています。それ以前に製造していたアルコール添加していた安い価格帯のお酒がなくなったことで、品質重視の製造になり、蔵としての製造や品質管理の技術力が上がったと言います。

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麹造り

この濃い味わいは、お酒の味わいを決める要因の一つである「麹」造りに特徴がありますが、それに加えて、伝統的な「山廃仕込み」で醸したお酒であることも、特徴の一つです。この仕込み方法だと、骨太で食欲をそそる酸味が出やすくなり、肉などの油の乗った食事にも合わせやすくなります。

伝統を受け継ぎ深化させる

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下村元基社長

先代から酒造りを引き継いだ下村元基社長も、伝統の味を繋いでいくことを大切にし「進化よりも深化を」と、造りは変えず品質向上のため日々探求しているといいます。下村社長は、蔵を継ぐ前に他の酒蔵での修行を積むなど、現場からこそ多くを学べると現場での感覚を大切にしています。

また、下村酒造店では、初代蔵元の下村九郎兵衛が残した家訓「手造りに秀でる技はなし」の教えを守り、個性のある酒を作るなら手作り必須と考え、製造量を増やすより、小規模でも目の届く範囲での酒造りを続けています。

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店内に飾ってある家訓

Full-Bodiedは、燗から冷やまで様々な温度帯で楽しめる他、味がしっかりして酸もあるので、洋食にも合わせやすいお酒。飲みごたえのあるお酒を探している方にぴったりです。



From the brewery

おすすめのペアリングは焼肉やBBQ、特に牛や豚肉との相性が抜群です。酸味が効いているので、油を洗い流す役割をしてくれて食が進みます。一度開けて常温で保管しても味が変わりにくいので、毎日少しずつ飲み進めても大丈夫です。 日々の晩酌と一緒に、お酒が心の安らぎになれば嬉しいです。