天吹酒造
創業300年の歴史を持つ蔵が造る「きっかけ作りのお酒」
1688年に創業された佐賀県・天吹酒造。天吹酒造の建物は、明治期から大正期に建てられており、そのうちの一部が、2013年に国の「登録有形文化財(建造物)」に登録されました。これらの建物は今も使われており、文化財で造るお酒なのです。
イベントや披露宴にも使われる蔵の中
若い人や女性にも日本酒を楽しんでほしい
「天吹が醸す花酵母の日本酒と出会ったことが、日本酒を飲むきっかけになりました!」
今やこのような声が蔵に届き、テイスティングイベントなどを行うと、来客の半分以上が女性で、若い世代が七割近くも占める天吹酒造。
木下壮太郎社長
しかし、1988年に木下社長が蔵に戻った当時は、県内中心とした流通のみで九州以外ではほとんど知られていない銘柄だったそうです。さらには当時の日本酒はおじさんの飲み物で、若い人達や女性はあまり飲まない時代。そんな状況だったからこそ、周りの友人や女性が本当に美味しいと感じて飲みたくなる、新たな魅力ある日本酒を造りたいと強く思っていたと言います。
そこでお酒のコンセプトを、すっきりとした後味などわかりやすい味わいで、日本酒を飲まなかったり苦手だった人でも飲めるような「日本酒の入口」となる酒質にすると決めて、理想の味わいを追いかけはじめました。
花から採取した酵母で造る理想の酒
2000年に、自身が卒業した東京農業大学醸造科(農学を専門に扱う大学)の中田教授から、自然界の花から酵母を分離する事に成功し、その酵母を使って試験醸造した面白い酒があると言われ、研究所に向かいます。そこで口に含んだ花酵母の酒は木下社長が思い描いていた理想の酒にかなり近いと感じ、その年から花酵母による酒造りを始めました。
現在使っている花酵母は果物から花まで多岐に渡っており、花酵母の種類によって、香りや酸に特長があるものなど様々な個性があります。
例えば、オシロイバナの花酵母は、華やかな吟醸香と優しい米の甘みを感じる純米吟醸系に使用しています。いちごの花酵母を使うと、苺を思わせるフレッシュな香りと心地よい酸味が特徴のお酒が出来上がります。
日下信次(しんじ)杜氏
3年前から、杜氏歴30年の日下杜氏が造りに加わり、更なる酒質向上に向け手ごたえを感じている天吹酒造。食事中はもちろん、お酒単体でも楽しめるので、スポーツ観戦しながら休日にのんびりしながら「Dancing Flower」をどうぞ。
From the brewery
華やかな香りと優しい甘みと酸味が特長なので、甘みや旨味を感じる料理との相性がいいです。お刺身でも刺身醤油(たまり醤油や九州の甘みを感じる醤油)や、タレの焼鳥がおすすめ。ちなみに、マック&チーズやホワイトシチューなどともよく合います!
今まで以上に日本酒の良さを世界の人に知ってもらえるよう、天吹酒造は進化し続けます!